【完】純白の花に、口づけを。
ふっと笑う瑞希が、どこか千花に似てて。
千花とは、特に何も変わらない。
あのあと結局、「晩ご飯作らなきゃ」と言った千花にはぐらかされて、いつも通りの接し方をされたら、変わるわけもねーし。
「和架はさー、姉ちゃんの傍にいたいんでしょ」
「ん」
「もうすぐ、だよ」
もうすぐ……?
「この間亜希が言ってた、“白魏”と“佐渡”の合同パーティー」
「それがどうした?」
「世界的な大財閥がふたつ集まっての合同パーティーとなれば、人も多くなるし豪華になる。そうなれば、父さんは間違いなく姉ちゃんの婚約を公(オオヤケ)にする」
それを聞いて、ハッとする。
「パーティーは、10月。あと1ヶ月しかない」