【完】純白の花に、口づけを。
瑞希のペースに流されてるような気もしなくはないが、別にいい。
「そういえばさ、気になってるんだけど」
「ん?」
「ハルさん、最近会わないね。同じ家に住んでるのに」
「……あぁ」
「何してんだろうね、あの人」
最近忙しなく出かけていったりしてるみたいだしな。
どこに行ってるのかは、知らねぇけど。
でも。
きっと、千花は知ってる。
知ってて、あえて何も言わない。
「急に家に帰って来たと思ったら、すぐ出てくし。あぁそういえば、この間俺らが出かけてる間に父さん来たらしいよ」
「俺らが不在の時だろ?」
「そ。いつもだよね。姉ちゃんしか相手にしてないから、あの人」