【完】純白の花に、口づけを。
「彼女、なるか?」
「え…?」
「デートの間だけ。彼女だと思ってればいい」
「っ、」
千花が頬を赤く薄く染める。
その頬を、指ですっと撫でて。
「な、りたい」
「ん」
顔を近づければ、千花がゆっくりまぶたを伏せた。
これも、“彼女”だから受け入れるのか?と思いつつも。
「好きだよ千花」
「っ、」
千花の後頭部に手を持っていって。
ゆっくり、その柔らかい唇に触れる。
「、ん……」
ぎゅっと上着を握る千花が、可愛らしくて。
触れる黒髪が、柔らかくて。
このまま時間が永遠に止まってしまえばいいと、本気で思った。