【完】純白の花に、口づけを。
◎一瞬のカノジョ
* * *
「美味しそう。和架とこのお店来るの、すごくひさしぶりな気がする」
「昔はよく連れてきてくれてたもんな」
「最近は忙しいものね。それに、和架と出かけることも少なくなっちゃったし」
「……また、出掛けるか?」
「ふふっ。瑞希も一緒に。“家族”で行きたいわね」
その家族に、もう一人加わること。
千花は知らないわけじゃないのに。
俺に気でもつかってんのか?
「ほら、冷めちゃう前に食べましょう?」
「ん、そうだな」
モール近くの、パスタ屋。
昔はよく来てた。
最近でも、千花はたまに来てるらしいけど。
千花と出かけるのがひさしぶりだからな。