【完】純白の花に、口づけを。
水族館が見えてくると、千花がふと口を開いた。
「水族館来るのって、いつぶりかしらね」
「ガキの頃に来た気がする」
「私と瑞希もお邪魔させてもらって、一緒に来たわよね?確か。ふふ、懐かしい」
水族館までもう少し、というとき。
クリスマスってわけでもねーのに。
「カップルばっかりね」
「だな」
つか、そんなベタベタしなくてもいいだろ。
俺と千花も確かにかなりべったりかもしれねーけど。
それ以前に、付き合ってねーけど。
「適当に回るか」
「そうね」
俺と千花は、あぁいうの嫌いだからな。
千花のこと好きだから、もし付き合ってたらキスとかしたくなるだろうけど。
さすがに人のいるところではしねぇし。
ベタベタするなら、人のいないところだからな。