【完】純白の花に、口づけを。
◎君に恋して
「ただいま~」
いつもよりテンションの少し高い千花が、扉を開ける。
それぞれで騒いでいた奴らは。
「ちいちゃん、おかえりーっ!」
「ご機嫌だね、依千花ちゃん」
「いっちゃんのその笑顔好きだわ~」
……お前らな。
「それ以外に言うことあるだろ」
「え?あぁ、おめでとう和架」
「………」
すげー“ついで”感。
「ふふっ。依千花センパイおかえりなさいっ」
「花ちゃん…っ!ただいまっ!」
それで千花も俺を放置か。
「チッ」
お前らいい度胸してんな。
「嘘だよ。でも、実は俺ら知ってたんだよね」
「?」
「鬼ちゃんがねー、婚約破棄にしたから“アイツら上手くいって帰ってくる”って」
「……その連絡のおかげで上手くいったんだろうけど、腑に落ちねぇ」
あのタイミングでかけてくるか?