【完】純白の花に、口づけを。
「白魏さん、何かありましたっけ?」
「やだ、依千花さんでいいって言ってるのに」
「呼べないです」
「みんなそう言うんだから……。あ、そうそう。えっとね、家族が待ってるから」
家族…!?
あれ、白魏さん結婚してた!?
……ああ、そういえば。
「弟さん、でしたっけ?」
「え?あ、まぁ…うん。そんなとこ」
弟さん羨ましい。
俺代わってほしい。
白魏さんは俺の隣に座ると、近くにいた店員さんにお酒を注文。
「弟さん思いですね、白魏さん」
羨ましい理由はひとつ。
……うん、アレだよね。
好きだからに決まってるよね。
っていうか、社員の中でも断トツに白魏さん人気だもんね。
俺は相手にされてる気がしないけど。