【完】純白の花に、口づけを。
「依千花~!」
「わあっ、叶恵…!」
「ふふっ」
背後からやってきて彼女に抱きついた人物は、白魏さんの親友である叶恵さん。
叶恵さんだけ名前で呼んでるのは、特に深い意味はないからね。
っていうか、弟じゃなくて親友ポジションでも良かったなぁ。
「やっほー、佐久間くん」
「叶恵さんハイテンションですね」
「ん…?佐久間?」
「へっ?なんですか、白魏さん」
突然名字を呼ばれて聞き返すと、彼女は「あっ!」と何かを思い出したらしかった。
「そっか、棗くんも佐久間なのよね!」
“も”?
「あ、そっかぁ。依千花の中で佐久間は、和架くんのイメージか」
「棗くんって呼んでるから、すっかり忘れてた。和架と同じ名字だものね」
“和架”?
?を浮かべる俺をよそに、ふたりは話を進めていく。