【完】純白の花に、口づけを。
「ん……」
白魏さんが身じろぎして、少しして目を覚ます。
その瞬間、彼女の顔は綻んで。
「和架」
“ああ、好きなんだな”って。
わかってしまうほど優しい声で名前を呼ぶと、彼の首に腕を巻き付けた。
「和架くん、依千花連れて帰れる?」
「店の前でタクシー拾ってもらえますか」
「おっけー。行こっか」
叶恵さんが立ち上がる。
彼は白魏さんを慣れたようにお姫様抱っこしてて、白魏さんは幸せそうに眠ったままだ。
しばらくその背を見送ってると、見えなくなって。
少ししたあと、叶恵さんが戻ってきた。
「びっくりした?」