【完】純白の花に、口づけを。
「和架くん、ほんと大好きで仕方ないらしくて。依千花のノロケによると、仕事が休みの日はずっとくっついてるんだって」
「すぐ会える感じなんですね」
依千花さん休みの日楽しみにしてんだろうな。
「え?ああ、違うの。和架くんと依千花は一緒に住んでるの」
「え!?同棲!?」
「そうでもないんだけど……和架くんに昔色々とあって。依千花が彼を育ててたの」
なんだよそれ…っ!
すげー羨ましい!!
「ま、佐久間くんには残念だけど」
「はい?」
「あのふたりが別れることはきっとないと思うな」
「うっ、ストレートですね」
「まーね♪じゃ、私も彼氏来たらしいから行くわ~、おやすみ~」
数年後、あの時の高校生が俺らの会社の“偉いさん”になるわけだけど。
「はぁ」
傷心中の俺は、知る由もなかった。
-End-