【完】純白の花に、口づけを。



「和架くん、ほんと大好きで仕方ないらしくて。依千花のノロケによると、仕事が休みの日はずっとくっついてるんだって」



「すぐ会える感じなんですね」



依千花さん休みの日楽しみにしてんだろうな。



「え?ああ、違うの。和架くんと依千花は一緒に住んでるの」



「え!?同棲!?」



「そうでもないんだけど……和架くんに昔色々とあって。依千花が彼を育ててたの」



なんだよそれ…っ!



すげー羨ましい!!




「ま、佐久間くんには残念だけど」



「はい?」



「あのふたりが別れることはきっとないと思うな」



「うっ、ストレートですね」



「まーね♪じゃ、私も彼氏来たらしいから行くわ~、おやすみ~」



数年後、あの時の高校生が俺らの会社の“偉いさん”になるわけだけど。



「はぁ」



傷心中の俺は、知る由もなかった。



-End-



< 326 / 347 >

この作品をシェア

pagetop