【完】純白の花に、口づけを。
「亜希たちも知らないの?」
「うん、知らないよ。俺ら出会ったときは言い方変だけど、余裕で全員不良だったから」
関係ねーけど、依千花もコイツらのこと呼び捨てで呼ぶようになった。
きっかけは、覚えてない。
「どうしてグレちゃったの?和架。私、ちゃんと育ててたつもりなのに」
紅茶を淹れながら言う依千花。
……なんかずれてるな、やっぱり。
「で、なんでグレたんだよ~」
「失恋したから」
「っ、は!?」
「ってのは半分冗談」
「え、半分本気なんじゃん……」
失恋、つーか。
「依千花が、ハルさんと付き合い始めたから」
「っ、それが原因だったの!?」
「結局別れさせたのも俺だけど」
「待って、本当にそれが原因なの!?」