【完】純白の花に、口づけを。



「私?」



「そ。久しぶりに飲もーぜ。あとで叶恵と和磨来るからな」



「いや、先に私に知らせなさいよ」



「あー、叶恵に連絡したら“依千花も今日休みだから家にいるはず。和架くんは依千花にべったりだし人混み嫌いだから出かけてないと思うわよ”って言ってたから」



「さすが親友……全部把握してる」



「だろ?んじゃ、邪魔する」



「あああああ、でも待って!今日、瑞希が泊まりに行くから和架と晩ご飯食べに行く約束してるんだけど…っ」



「んじゃあ俺らも行く」



「ハルが来たらややこしいでしょ!?」



「んー、そうか?」



「無理無理!それでなくてもこの間和架に、」



そこで依千花の言葉がふっと途切れた。




「ん?」



「な、んでもない」



「あー、和架に寝かせてもらえなかったんだな。でもさ、ここの声リビングに筒抜けじゃなかったか?」



「っ!!忘れてた…っ」



「アイツリビングにいるなら、全部聞こえてるな」



「あああああ。和架だけじゃないの…っ」



< 335 / 347 >

この作品をシェア

pagetop