【完】純白の花に、口づけを。
「……眠い」
嘘をついて、依千花の膝に頭を乗せる。
「眠いなら、今度にする?」
「ん…それはやだ」
「わがままよね、和架」
「でも嫌いじゃないだろ?」
問えば依千花はくすりと笑みを浮かべる。
「そうね。好きよ」
ああ、なんか。
別に、余裕なくていいかもしれねーな。
「依千花…」
愛おしくて、もどかしくて。
依千花のウエストに腕を回して、お腹のあたりに顔を埋める。
ふわりと俺の頭を撫でただけで、依千花は何も言わなかった。
「…依千花」
「ん?」
「…すげー好き」
これ聞いたら、アイツらは俺らしくないって言い出すんだろうな。
アイツらの前では余裕だけど、依千花が絡むと本当に弱くなる。