【完】純白の花に、口づけを。
俺、佐久間 和架(サクマ ワカ)が白魏に来て、ずっと母親代わりになってくれていたのは千花だった。
甘える……ってのもどうかと思うけど、頼るっていう意味で甘えられるのは千花にだけ。
精神的なものもあって、千花が傍にいてくれないと落ち着いて眠れない。
最近は家でなら、眠れるようにはなったけど。
「ふふ。和架はもうひとりの弟みたいなものだもの」
ずっと前は見上げていた千花が、フライパンの料理から俺に視線を移す。
柔らかい表情で、いてくれるから。
俺は安心出来る。