【完】純白の花に、口づけを。
「あ、そうだね。希依、悪いけど扉閉めてきて」
「らじゃーっ♪」
扉を閉めてから、亜希がパソコンを出してくる。
そして、少しキーを叩いてから俺らの方に画面を向けた。
「『黒』?」
「そ。黒。最近街を裏で仕切ってるヤツっぽいんだよね」
「それがどうした?」
「……動き方が、怪しい。何か策略があって動いてるみたい」
……黒。
「今のとこ、龍高に被害はないけど一応報告。最近はこの辺りもうろついてるらしいしね」
「他に被害は?」
「ないよ。喧嘩って言っても、相手が気絶するほどの優しい喧嘩だし、本当に裏で街仕切ってるだけ」
それって……。
「──数年前の、クロみたいだな」