【完】純白の花に、口づけを。
「やっぱり、そう思う?確かに似てるよね」
数年前、クロが現れたとき。
被害は本当に気を失うほどの軽いものだけで、街は仕切られ、まとめられた。
数年間維持していた治安は、最近また悪くなってきてはいる。
だからこそ、“クロ”に憧れたヤツがやってるだけかもしれない。
それならそれで、問題ない。
「一応、目だけはつけとくべきだな」
「うん、そうだね」
「動くのか?和架」
「いや。ただ、昨日喧嘩した奴らが何かふっかけてくるかもしれねぇから、それは気をつけろよ」
「はーいっ」
「了解~」
もう誰も、傷つけない。
千花に助けてもらったあの日から。
一度も涙なんて、流してない。
千花。
俺は強く、なれたと思うか?