【完】純白の花に、口づけを。
「和架の家で」
「却下」
「和架さー、いい加減にしなって。想うだけ無駄だからね」
「……知ってる」
知ってる、けど。
「よし、和架の家ね」
「ざけんな」
「うるさい。決定」
俺の家=瑞希の家だろ。
んなことしたら。
……全部、バレる。
「和架って、本当は一番意気地なしだよね」
「うるせぇ」
「いい加減前に進みなよ」
進めねーから、困ってんのに。
俺にとって千花は、そこらの女と同じように扱えるほど容易いものじゃない。
触れたくても、どうしても触れられない人。