【完】純白の花に、口づけを。



「ん……ただいま」



リビングから出てきた千花に、一瞬どう返事しようか迷った。



「瑞希も、おかえり」



「……ただいま。夜は花んとこ行くから」



「わかったわ」



瑞希から、視線をふっと移して。



「初めまして。白魏 依千花です。瑞希と、和架の姉です」



一瞬肩が強ばるけど、誰も気づかない。




「えっ…みずくんのお姉さん……」



「……え?和架の、姉って……」



「すげー美人だな~……」



「……(瑞希の姉って、嫌いに入るのか)」



それぞれ首をかしげる中で、千花はふっと俺を見てから、小さくため息をついた。



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