【完】純白の花に、口づけを。
「なんの話してたの」
「ん?ふふ、仕事の話よ。あ、座って?って、和架?どこいくの?」
「……着替えてくる」
「わかったわ」
息苦しくなる。
千花を閉じ込めてしまいたい。
俺だけのものに。
一度部屋に入って、壁にもたれかかる。
着替えると言ったけど、そんなつもりで部屋に来たわけじゃなかった。
「和架、入るわよ」
そんな声に一度ビクッとしてしまう。
返事する前に扉は開いて、千花は優しげに微笑んだ。
「やっぱり、無理してると思った」
──ああ、もう。
なんで気づくんだよ。