【完】純白の花に、口づけを。



「千花を傷つけた。ごめん」



「和架、謝らないで」



「俺のせいだろ」



千花は横に首を振った。



そして。



「いいのよ、和架」



抱きしめる腕に力を込めてくれる。




「和架に、言うことがあるの」



「な、に」



「あのね、私。ハル、と」



嫌な予感がした。



背中に、冷や汗が垂れる。



お願いだから、言わないで。



ずっと、俺の傍にいて。



そんな願い。



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