【完】純白の花に、口づけを。
「今日、一緒に寝る?」
「……そうする」
一緒に寝る、というのは単なる添い寝。
千花が隣にいてくれる安心感は、部屋でひとりで眠る時よりも遥かに大きくて。
落ち着いて、眠れるような気がした。
精神的にダメな時は、いつも千花の隣で眠ってる。
「和架のこと、大好きよ」
「いきなり何言い出すんだよ」
「なんでもない」
千花がそっと手を伸ばして、俺の目元をすっとなぞる。
涙なんて流してないのに、涙を拭われたような気がした。
「泣くのが弱いことだって、私は思わないわよ」
「知ってるよ」
千花はどこまでも優しい。
どれだけ自分が傷つくとしても、それを厭わずに。