【完】純白の花に、口づけを。
「ねぇ、和架」
いつの間にか、希依と話を終えて俺の隣へ来た千花が、俺に瞳を向けてくる。
「ん?」
「どうする?夏休みの間は泊まってくれてもいいし……好きなときに来てくれていいのよ」
「…今日はさすがに、コイツらも遠慮するだろ。泊まるなら、もう少し慣れてからの方がいいんじゃないか?」
「そうしましょうか。私、仕事あるから基本的に家にいないけど」
千花が優しく微笑む。
「依千花さんって、なんのお仕事されてるんですか?」
「私?私は、白魏で働いてるのよ。継がなきゃダメだから」
継がなきゃダメなんじゃなくて。
小さい時から俺と瑞希を育ててくれてたから。
俺らに負担をかけたくなくて、自ら跡継ぎになりたいと名乗り出ただけ。