【完】純白の花に、口づけを。
◎触れられる距離
「はぁ……」
思わずため息が漏れる。
「ため息なんてついて、どうしたの?」
背後からかかる声に、寝返りをうって振り向く。
「別になんもねーけど……」
俺も健全な男子高校生なワケで。
しかも、添い寝するのはわかってるけど。
暑いのもわかってるけど。
「そう?それならいいけど」
……キャミソール1枚の好きな女と添い寝って、なんの試練だよこれ。
「エアコンつけたら寒くね?」
「んー?最近毎日このカッコで寝てるから、そうでもないわよ」
「……そ」
そういえば千花が帰ってくるときは会うけど、千花が寝るときは既に俺も部屋にいるから普段は会わないんだよな。