【完】純白の花に、口づけを。



千花は、知らないだろ?



「和架、最近ヤケに男って意識して欲しそうよね」



っ…!



ハッと、千花の勘が良いことを思い出して、口を噤む。



もし、バレたら……。



「誰か好きな子でも、できた?」



──…え。




「いや……違う、けど」



「あら、そう?好きな子出来たのかと思った」



くすり、と笑って俺の髪に指を絡めてく。



顔を埋めてるから千花の顔は見えねぇけど、もし俺の顔が見えてたらバレてたかもしれない。



「好きな子出来たら、紹介してね」



千花だって言えたら、どれだけ良かっただろう。



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