【完】純白の花に、口づけを。
唐突に泣きたくなった。
今すぐ抱きしめて、千花に好きだって言いたい。
「ダメ、なの。和架は、私の傍にいたいって思ってると思うけど」
「白魏に生まれたから、きっと和架を救ってあげられた。だけど、その白魏が私にとってはネックになってしまうの」
千花の話を、静かに黙って聞いていた。
「白魏には、巻き込めないの。白魏が世界に知れ渡ってるのは、知ってるでしょう?」
「世界的な規模になった財閥を背負うっていうのは、簡単なことじゃないから」
「和架ならきっと出来てしまうんでしょうけど。それでも傍にいたいって思ってるって言うだろうって、わかってるわ」
「だけどね、ダメなの。どうしても、和架じゃダメ。ごめんね」