【完】純白の花に、口づけを。
PURE WHITE*3

◎鳥籠の中-side 亜希-




side*亜希



「あの──和架、どうですか?」



目の前の美しい彼女に尋ねると、彼女は「今日もダメなの」と答えた。



俺らが和架の家に来た次の日から、和架に連絡が繋がらなくなって。



家に来たら、「部屋から出てこないの」と依千花さんが教えてくれた。




「何かあったんですか?」



「分からないのよ……。でもあの子、本当は弱いから」



夏休みに入って1週間、和架が出てこなくなって1週間、俺らは毎日彼女の家へとお邪魔していた。



今日は休みらしいから、依千花さんはいるけれど。



普段は瑞希が、和架の状況を教えてくれていた。



< 82 / 347 >

この作品をシェア

pagetop