【完】純白の花に、口づけを。
「和架、」
「いいんだよ。千花が幸せになってくれれば」
「お人好し」
「なんとでも言え」
お人好しでもなんでもいい。
千花に幸せになって欲しいのは、俺の本心だから。
「後悔するよ、きっと」
「知ってる」
「それでも、いいの?」
いい。
その肯定の意味を込めて、ふっと笑ってみせた。
そんな俺に、瑞希はなんだか痛々しい顔で。
「姉貴って、残酷な人だね」
──ポツリと、言葉を落とした。