【完】純白の花に、口づけを。
◎噛み合わない歯車
千花に「おめでとう」と言ったあの日から。
特に何かあったわけじゃないけど、夏休みは淡々と過ぎていく。
時々アイツらが遊びにきたりして。
仕事が忙しいのか、千花は朝早く仕事に行って、夜遅く帰ってくるために、なかなか会わなくなった。
たまに会っても、会話が続かなくなる。
前はそんなこと、ありえなかったのにな。
「わーかーちゃーん」
「ん?」
聞けば、なぜか全員あきれ顔。
今は不良校でも出されるもんは出されるから、宿題を集まってやってただけだけどな。