魔女の瞳
第二章

眠りが浅かったのだろうか。

これが夢だという事にすぐに気づいた。

だってこの間の夢の続きなんだもの。

夢の続きを見るなんて、珍しいんじゃないだろうか。





私は針葉樹の森の中を、ザクザクと雪を踏みしめながら歩いていた。

…背後からは、サクサクと同じように雪を踏みしめる足音。

ザクザク。

サクサク。

ザクザク。

サクサク。

…何で私の方が足音が重そうなのよ!

まるで私が太ってるみたいじゃない!

「あのねえ!貴女!」

私は振り向いて、後ろをついてくる女の子に向かって言った。

赤毛の癖っ毛。

可愛らしいそばかす。

年の頃十三歳くらいだろうか。

あどけない感じの女の子だった。

「エリスです!」

私がやっと振り向いた事が嬉しかったのか、彼女…エリスは名乗って、ほにゃっと笑った。

あぁ…と失意の声を上げながら、私は自分の額に手を当てる。

「あのね、エリス…さっき男達から助ける時に、私の瞳を見たでしょ?私は魔女なの。呪眼持ちの、本物の魔女」

「はい!見ました!」

エリスは元気よく言う。

「だからついてきたんです!」

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