retaliation ~天の邪鬼な絆~
ある個室の部屋に皆が集まっていた。
鳩羽、白田、蒸栗に同行された鶴橋。鶴橋は鳩羽を見た瞬間目を見開いた。そしてずっと目を伏せていた。
その部屋に一ノ瀬、直哉、東雲、若芽が入室した。
「お待たせして申し訳ありません。今回、お集まり頂いたのは今回起きた様々な事件に関する答えが出たからです。」
「え?」
そこにいた人々から声が漏れた。
「まず鳩羽さんからの依頼。蘇芳茜さん失踪事件。これに関してはもう解決しました。すいません、おく入り下さい!」
ドアが開いて蘇芳が入ってきた。
「茜!」
鳩羽が、駆け寄ると
「何で教えた!個人情報保護法に反しているだろうがっ!訴えるからな!」
「茜?」
鳩羽は、見たこともない茜の様子に狼狽した。
「蘇芳茜さん、あなたは鳩羽さんから三十万円を受け取り失踪した。そうですね?」
「それが何?」
「それだけなんですか?」
「他にもやったんじゃないんですか?詐欺。」
「詐欺?嘘だろ?」
「やってないって言ってるでしょ?証拠は?」
「それは、あなたがよく知っているんじゃないですか?白田さん?」
「何で俺が?」
「僕の番ですね?」
若芽が、歩みでた。タブレットを片手に話し始めた。
「白田さん、ギャンブルがお好きらしいですね?結構な借金があるとか?お仲間が話してくれました。最近、羽振りが良くなったそうで。」
「それは…バイトとか見つかったもので。」
「SNS って知っていますか?色々な情報が流れてて結構役にたつ。例えば、これ。」
と若芽はある書き込みを開いた。ある大学の裏サイトだった。
“うちの大学の奴で詐欺っぽいことしてる奴がいる。女と共謀して童貞を釣るんだと。ひでぇ”
“知ってる!Sでしょ?あいつギャンブルばっかして借金地獄らしいよ。被害者は、大学内で見つけるらしい。”
「これ、あなたでしょ?」
「違う!俺じゃない!」
「そんで金が原因で仲間割れ。女を刺した。いい加減、吐いちゃいなよ。」
「違うって言ってんだろ。だから、こいつなんだろ?犯人は。警察にこいつだって通報が。」
「何で、この人だと?まだ何も自己紹介していません。そして通報のことを何で知っているんですか?」
直哉に交代した。
「いや…刑事と一緒だし。通報は、ニュースで。」
「まだ公開されていません。そしてあなた左利きですよね。バッグを左で持ってらっしゃる。彼、右利きなんです。蘇芳さん、刺された傷何処でしたっけ?」
…クッ…
「どうして?」
鳩羽が、言った。
「金が必要だったんだよ。お人好しで金持ちのお坊ちゃんからなら少しくらいもらってもいいだろ?」
白田は、蘇芳との関係を白状した。彼女も金に困っていた。美容やブランドに金をつぎ込んだとのことだった。後日わかったことだが被害者は鳩羽だけではなかった。他にも数件余罪があり警察のメスが入った。
蒸栗と白田、蘇芳は病室を出ていった。
「鶴橋葵さん、あなたは鳩羽さんと同じ幼稚園だったそうですね?」
「違います。知りません。」
「…マモルだろ?」
鳩羽が、言うと葵は目を見開いた。そしてもう観念したという様子で話しだした。
「ナオは、覚えてるか?僕が、幼稚園で言われていたこと。『オトコオンナ』だって。まあ、あれくらいの子どもには受け入れずらいものだっただろうね。大人でも難しいのに…。でもナオは、違ってた。ちゃんと男として私を扱ってくれた。ヒーローごっこ、楽しかった。私をレッドにしてくれて男の子のグループに交ぜてくれた。…助けなきゃって思った。ナオ、知らないだろうけど僕、お前の家の近くのコンビニで働いてたんだぜ。お前、いっつも向かいのライバル店だし!
ナオを見つけたとき運命だと思った神様が昔の恩返しをしろって言ってんだって。ある日、たまたま見つけたとき話しかけようとした。でも彼女と幸せそうに歩いてて。嬉しくって。ナオが、幸せな顔してたら何でか僕も笑顔になって。
だからあの笑顔を守りたかった。あの女が、たまたま金をうちの店でおろしたのを見たんだ。普通の額じゃなかった。僕なりに調べて問い詰めてたとこを見られたんだと思う。」
「…なんか情けないとこみられたな。」
鳩羽は、俯いていた。床に滴が落ちた。
「鳩羽さん、確かに大切なものをいっきに失って身を切られる思いだと思います。でもあなたには、あなたを一番に考えてくれる友達がいます。ゆっくりでいいだから前を向いて歩いて下さい!」
直哉が、言うと鳩羽は顔をあげ頷いた。目が腫れていた。
一ノ瀬の車に直哉と若芽が乗り東雲はバイクで家路についた。
若芽が呟いた。
「鶴橋さん、鳩羽さんが好きだったのかな?」
すると一ノ瀬が応えた。
「違うよ。…友情かな。あっ『鶴の恩返し』かな。」
「全然、うまくない。」
直哉は、外をみた。月明かりが美しかった。
鳩羽、白田、蒸栗に同行された鶴橋。鶴橋は鳩羽を見た瞬間目を見開いた。そしてずっと目を伏せていた。
その部屋に一ノ瀬、直哉、東雲、若芽が入室した。
「お待たせして申し訳ありません。今回、お集まり頂いたのは今回起きた様々な事件に関する答えが出たからです。」
「え?」
そこにいた人々から声が漏れた。
「まず鳩羽さんからの依頼。蘇芳茜さん失踪事件。これに関してはもう解決しました。すいません、おく入り下さい!」
ドアが開いて蘇芳が入ってきた。
「茜!」
鳩羽が、駆け寄ると
「何で教えた!個人情報保護法に反しているだろうがっ!訴えるからな!」
「茜?」
鳩羽は、見たこともない茜の様子に狼狽した。
「蘇芳茜さん、あなたは鳩羽さんから三十万円を受け取り失踪した。そうですね?」
「それが何?」
「それだけなんですか?」
「他にもやったんじゃないんですか?詐欺。」
「詐欺?嘘だろ?」
「やってないって言ってるでしょ?証拠は?」
「それは、あなたがよく知っているんじゃないですか?白田さん?」
「何で俺が?」
「僕の番ですね?」
若芽が、歩みでた。タブレットを片手に話し始めた。
「白田さん、ギャンブルがお好きらしいですね?結構な借金があるとか?お仲間が話してくれました。最近、羽振りが良くなったそうで。」
「それは…バイトとか見つかったもので。」
「SNS って知っていますか?色々な情報が流れてて結構役にたつ。例えば、これ。」
と若芽はある書き込みを開いた。ある大学の裏サイトだった。
“うちの大学の奴で詐欺っぽいことしてる奴がいる。女と共謀して童貞を釣るんだと。ひでぇ”
“知ってる!Sでしょ?あいつギャンブルばっかして借金地獄らしいよ。被害者は、大学内で見つけるらしい。”
「これ、あなたでしょ?」
「違う!俺じゃない!」
「そんで金が原因で仲間割れ。女を刺した。いい加減、吐いちゃいなよ。」
「違うって言ってんだろ。だから、こいつなんだろ?犯人は。警察にこいつだって通報が。」
「何で、この人だと?まだ何も自己紹介していません。そして通報のことを何で知っているんですか?」
直哉に交代した。
「いや…刑事と一緒だし。通報は、ニュースで。」
「まだ公開されていません。そしてあなた左利きですよね。バッグを左で持ってらっしゃる。彼、右利きなんです。蘇芳さん、刺された傷何処でしたっけ?」
…クッ…
「どうして?」
鳩羽が、言った。
「金が必要だったんだよ。お人好しで金持ちのお坊ちゃんからなら少しくらいもらってもいいだろ?」
白田は、蘇芳との関係を白状した。彼女も金に困っていた。美容やブランドに金をつぎ込んだとのことだった。後日わかったことだが被害者は鳩羽だけではなかった。他にも数件余罪があり警察のメスが入った。
蒸栗と白田、蘇芳は病室を出ていった。
「鶴橋葵さん、あなたは鳩羽さんと同じ幼稚園だったそうですね?」
「違います。知りません。」
「…マモルだろ?」
鳩羽が、言うと葵は目を見開いた。そしてもう観念したという様子で話しだした。
「ナオは、覚えてるか?僕が、幼稚園で言われていたこと。『オトコオンナ』だって。まあ、あれくらいの子どもには受け入れずらいものだっただろうね。大人でも難しいのに…。でもナオは、違ってた。ちゃんと男として私を扱ってくれた。ヒーローごっこ、楽しかった。私をレッドにしてくれて男の子のグループに交ぜてくれた。…助けなきゃって思った。ナオ、知らないだろうけど僕、お前の家の近くのコンビニで働いてたんだぜ。お前、いっつも向かいのライバル店だし!
ナオを見つけたとき運命だと思った神様が昔の恩返しをしろって言ってんだって。ある日、たまたま見つけたとき話しかけようとした。でも彼女と幸せそうに歩いてて。嬉しくって。ナオが、幸せな顔してたら何でか僕も笑顔になって。
だからあの笑顔を守りたかった。あの女が、たまたま金をうちの店でおろしたのを見たんだ。普通の額じゃなかった。僕なりに調べて問い詰めてたとこを見られたんだと思う。」
「…なんか情けないとこみられたな。」
鳩羽は、俯いていた。床に滴が落ちた。
「鳩羽さん、確かに大切なものをいっきに失って身を切られる思いだと思います。でもあなたには、あなたを一番に考えてくれる友達がいます。ゆっくりでいいだから前を向いて歩いて下さい!」
直哉が、言うと鳩羽は顔をあげ頷いた。目が腫れていた。
一ノ瀬の車に直哉と若芽が乗り東雲はバイクで家路についた。
若芽が呟いた。
「鶴橋さん、鳩羽さんが好きだったのかな?」
すると一ノ瀬が応えた。
「違うよ。…友情かな。あっ『鶴の恩返し』かな。」
「全然、うまくない。」
直哉は、外をみた。月明かりが美しかった。