わたしの彼はイジワル王子様
私たちは他愛ない会話を交わしながら学校に向かった。
学校へは電車で通学する。
学校の最寄り駅につくとわたしたちと同じ制服を着た人たちがたくさんいた。
今日は2年生や3年生は休みだから
ここにいる人たちは多分みんな同じ学年なんだろう。
「この中の人が同じクラスになるかもしれないんだね…」
あおいが言う目の先には
ピアスをいくつも開けて
髪の毛はなんとも言えない色だ。
まあ中学の頃もこんな人は2、3人いたっけ。
けどいまは違う。
「1、2、3、あ、あっちにもいる。
4、5、6、…」
ザッと数えて7、8人いる。
うちの学年は6クラスだから
少なくともあの中の1人とは同じクラスになるな…
そんなことをぼんやり考えていると
「優!なにみてんのー!早く行くよ」
あー!あたしなにしてるんだろ。
「うん!ごめん!」
「んもー全く優ったらー」
「あははごめんってばー」
怒られちゃったじゃんか!
わたしのバカ。
小走りであおいのところまで行こうとした。
前しか見てなくて、横を見るのを忘れてたんだ。
横からきたうちの高校の生徒とぶつかった。
「すみま………!」
謝ろうと思い、その人を見上げると…
そこにいたのはさっきと同じ部類、
茶髪…ピアス…リングも…?
長く伸ばした髪は彼の片目を隠す。
「す…みません…」
「………」
待ってよ。無視?
こういう人苦手だ。なんなのよ。
もういいやと思いわたしはあおいの方へ駆け寄った。