花の名は、ダリア
俺はソージ。
異国の軍服を着た俺とダリアは、今まさに某国の港町に降り立ったトコロだ。
なんでそんなトコにいんの、って?
なんでそんなカッコしてんの、って?
よくぞ聞いてくれました。
『人捜しの旅を続ける』
って言うダリアにくっついて、海を渡ったンだよね。
ぶっちゃけ、心残りはあった。
国や仲間の行く末が気になっていた。
ダリアも、
『ソージは後から追ってきてくれてもいいのよ?』
なんて気を遣ってくれたが…
ねェよ。
一瞬たりとも彼女を手放せるもんかよ。
それに、もう人じゃなくなった俺は、人が織り成す歴史に関与すべきではないだろう。
だから日本を出た。
方法は… 密航。
全然『密』じゃなかったケドネ!?
ダリアってば、隠れもせずに船中アチコチ出歩いちゃうからネ!?
出歩いて。
船員に見つかって。
血を吸って記憶を奪って。
その繰り返し。
雑すぎンだろ。
自由すぎンだろ。
挙げ句の果てには、艦長その他主要乗組員を貧血でノックアウトして、操舵室を乗っ取っちゃったからネ!?
もうハイジャックですよ、コレ。
で、ついでに服まで強奪して、今に至るってワケ。