花の名は、ダリア
バイトも至って順調だ。
当初は、
①ラインの間の狭い通路を歩行中、ソージが手にしていた包丁を『うっかり』落としてしまい、ナゼか飛び出していた誰かの足の甲に突き刺さったり
②短い休憩時間に、ソージが『うっかり』しゃがみこむと、ナゼか後頭部に迫っていた熱々紅茶入りポットが、前にいた男に直撃したり
③心当たりのない箱がナゼかソージのロッカーに入っていたので、誰かが間違えたのカナー、なんて『うっかり』隣のロッカーに忍ばせておいたら、翌日、そのロッカーから大量の夜の帝王Gが出現したり
などなど、不幸な事故が多発したりもした。
③はヤバいね。
ヘタすると、ロッカールームが火星になっちゃうね。
でも、今はもうそんなコトはない。
ナゼか『ソージさん』なんて敬称つきで呼ばれるようになったが、皆とお友達になれた証だろう。
うん。
たぶん、そう。
お友達になれてないヤツも、いるンだケドね。
初日にいきなり絡んできた、ガタイのいい彼とかね。
『臭いなんて言ってゴメンネ
俺ってば正直者だから☆』
と、謝ってみたのだが、余計怒らせてしまったようだ。
なんでカナ?
生理でイライラしてたのカナ?
全く、人間関係ってヤツは難しい。