花の名は、ダリア

後、コミュ障ぎみのアランくんもね。

ジトーっとガン見してくるクセに、目が合うと逃げてっちゃう。

目が合ったダケだよ?
話しかけたワケでもねェンだよ?

変なスイッチ入りそう。

意地でも取っ捕まえて、無理矢理『仲良く』したくなっちまうじゃねェか。

でもさー…
ほんとはさー…

アランくんがお友達になってくれない理由は、わかってンの。

それはズバリ、クララの存在。

アランくんは、あからさまにクララにご執心。

そりゃムサ苦しい食肉工場の紅一点だから、ありとあらゆる男が彼女にちょっかいを出しているが、アランくんは他とは違う。

ただ、見つめている。
イっちゃってる目で、彼女の一挙一動を見つめている。

コミュ障にもほどだろ、コレ。

恋心なんて言葉じゃ括れない、常軌を逸したその凝視。

通報レベルだろ、コレ。

そんなクララと、ソージは仲良し。

ダリアには言っていないが、毎日仕事帰りに送ってたりするし。
お茶でもどうぞ、なんて家に誘われてたりもするし。

まぁ、さすがにソレはお断りしてンだケドね。

そーゆーのが、アランくんのお気に召さないみたい。

言ってくれればイイのに。
協力してやるのに。

ポエムなラブレターでも託してくれれば、全職員でニヤニヤしながら回し読みしてやるのに、さ。

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