花の名は、ダリア
「いいえ、アナタは後悔すべきよ。
でもって反省すべきなのよ。」
窓枠に腰かけて腕を組んだ、この世のものとは思えないほど美しく儚げなその人は、血痕だらけの暗い部屋で安楽椅子に揺られる男を睨んだ。
悲しそうに唇を震わせ、深く項垂れる男。
でもね?
そんなんで同情なんてしないから。
白い頬をぷぅっと膨らませて。
イライラとペールブロンドを掻き上げて。
ペールブルーの瞳を冷たく輝かせて。
そう、ダリアさんは怒ってます!
「どんなアナタでも愛してくれるイイ奥さん…当時は婚約者?だっけ?がいたのに、風俗なんかにハマっちゃダメじゃないの!」
「…
…
…
え?
反省点、ソコ?」
「他にナニがあるのよ!
この、スカポンタン!」
ド○ンジョ様か。
だがしかし…
(この人の言う通りだ…)
ドロ○ジョ様に叱られた、痩せこけたボ○ッキー…ではなく、フランシスは思った。
白蝋のような肌。
白濁した瞳。
『穢れし者』であるにも関わらず、ダリアの言葉に人間として恥じ入ったフランシスは、キツく唇を噛みしめた。