花の名は、ダリア
罪なのか。
罰なのか。
どこで過ちを犯したのか。
何度も何度も問い掛けた。
けれど、誰も答えてくれなかった。
もしも。
もしも答えてくれる者がいるとすれば。
それは…
「アナタは、自分の願いの本質を見失ってしまったのね。
そこにつけ込まれたンだわ。」
白く華奢な手が伸びてきて、労るようにフランシスの髪を撫でた。
そしてそのリズムに合わせて、薄く形のいい唇がメロディーを奏でる。
「アナタの願いは『クララちゃんと生きること』だったでしょう?
なら、生きればよかったの。
たとえ短くても、触れ合うことができなくても、限りある命の中で精一杯クララちゃんを愛して、二人で生きればよかったの。
クララちゃんだって、それを望んでくれたンでしょう?」
優しい手が。
優しい声が。
疑問をほどいていく。
「アナタの願いは、とっくに叶っていたのよ。」
そうか。
ただ、それだけでよかったンだ。
ささやかでも幸せな愛の形を忘れ、多くを望みすぎた。
それが僕の過ち。