花の名は、ダリア
Ⅹ
塵になったフランシスがサラサラと崩れだした時…
バンっ!
大きな音を立てて部屋の扉が開かれ…てか叩き壊されて、ダリアはビクっと身体を竦めた。
「やっぱりかぁぁぁぁぁ!!」
間髪入れずに発せられた声に、驚きながらソチラを見ると…
ハイ、阿修羅のようなソージくん。
「あら?
ソージはさっき帰ったんじゃなかった?」
細い指で髪を右耳にかけたダリアが、大きな目を瞬かせながら不思議そうに首を傾げる。
…
チクショー、いちいち可愛いな。
けど、そんなんじゃ誤魔化されねェから。
今度はソージが怒ってます!
「ドコから入ったンですか!?
でもってナニをやってンですか!?」
ダリアの問い掛けをまるっと無視して、眉を吊り上げたソージは怒鳴った。
「ドコって… その窓からよ。
ヴァンパイアらしいでしょ?」
「三階の?
…
俺は一階だったのに…
ちょっと悔しいじゃねェか…」
ボソボソと呟いたソージが、下唇を突き出す。
悠長に悔しがってる場合デスカ、コラ。