花の名は、ダリア

上はナイわ。
そりゃ警戒もできねェわ。

いつからソコに?
どーやってソコに?


「や、上から捜すのが一番手っ取り早いから。
さすがに空は飛べねぇケド、屋根跳ぶくらいは余裕なの。
どー? ダリアよりヴァンパイアらしい?」




コイツ、ナニと戦ってンの?

ねー?どー?ねーねー?なんて降ってくるソージの問い掛けをサラリと聞き流して、クララは考えを巡らせた。

逃げるのが無理なら…
どうしてやろうか?

足に縋って哀れっぽく泣き、助けを乞おうか。
跪いて『もうしません』と誓ってやろうか。

最終的に復讐を果たすことが出来るなら、どんな屈辱にも耐えてみせる。

降りて来いよ。

最高に惨めで不憫な女を演じて、まるめこんでやるよ。


「おまえ…
とりあえず『ごめんなさい』して、この場を凌ごうとか思ってンだろ。」


(どうして…)


苦笑混じりのソージの声に、今度こそクララは戦慄した。

思惑が全てバレている。

どうして?
どうしてわかるの?

なぜことごとく心を見透かす!?

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