花の名は、ダリア

ⅩⅡ


帰り着くと、ソコはクリスタルレイクだった。

つまり『13日の金曜日』ワールドだった。



ナンデソーナッタ?

指で目を擦って、確める。

仄暗い灯り。
木で出来た、粗末なベッド。
同じく粗末な、テーブルとチェア。

うん。
ねぐらにしていた安宿だ。

でも、やっぱり『13金』。

だってジェ◯ソンがいる。

ホッケーマスクとの運命の出会いを果たした、Part3以降のジェ◯ソンじゃねェよ?
Part2に出てきた、目の粗い麻袋を被ったジェ◯ソンだ。

だが、身体はお馴染みの、ほっそいクセに出るトコ出てるエロボディ。
袋の口からは、滝のように流れ落ちる艶やかなペールブロンド。
そして、袋をくり貫いた二つの穴から覗くのは、煌めくぺールブルー。



ナンデソーナッタ?

謎は深まるばかりだが…
と言うより、もはや謎しか転がってないが、探求するのは後だ。

ソージはチェーンソーで殺られる前に、無言で麻袋を剥ぎ取った。

出てきたダリアが、『ああぁぁ…』とかなんとか切ない声を上げながらソレを取り返そうと手を伸ばすが、構っていられマセン。

ワタワタと暴れる身体を横抱きにして。
軽々と運んで。
ベッドに座らせて…

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