花の名は、ダリア
その溜め息の中にあるダリアの思いを読み取って、ソージは顔を顰めた。
この期に及んでもまだ、クララの気が済むまで何度でも殺されてやるつもりでいることを知って、思いきり顔を顰めた。
そんなコトはさせねェよ?
そのためにクララを殺ったンだ。
「あの女は、しばらくココへは戻らないでしょう。
家にある同僚の死体が発見されれば、警察に追われる羽目になることですし。
俺たちも、早めにこの街を出ましょう。」
もうこの話はおしまい、とばかりに、ソージは一気に言い切った。
そして、色のない唇がナニか言いたげに動く前に、完っ璧に封じてしまえ。
「で?
いつ、気づいたンです?」
「え? えー…と…?」
またも泳ぎだす、二つの青い宝玉。
とりあえず、クララの末路からダリアの気を逸らすことには、大成功。
でも、コッチも大事なコトだから。
素直に答えろ。
ソージが黒い瞳に力を込めて返答を促すと…
「…
ソージはいつ気づいたの?」
ダリアはやっと口を開いた。