花の名は、ダリア
互いの鼻先までの距離わずか数㎝の、キス射程圏内でのこの微笑みは、まじ恐怖。
ガッチリ掴まれたダリアの顔が、みるみる青ざめる。
「え?え?
ナニコレ?どーして?」
「応援なんて、余計なお世話です。
てか、クソ食らえなンですよ。」
「え?え?
そそそーなの?」
「そもそも、貴方がいるのに、どうして俺が他の女に恋なんてするンです?」
「え?え?
‥‥‥え。
ひょっとして…
ソージって、私が好きなの?」
…
ナンダッテ?
「ソコからですか…」
ソージはダリアから手を放し、深い溜め息を吐いて項垂れた。
確かにね?
ちゃんと言葉にしたコトはなかったかも知れないよ?
でも、わかンだろ。
空気は読めンだろ。
だって俺、態度にはガッツリ出してるもん。
ガッツリ嫉妬してるし。
ガッツリ束縛してるし。
なんだったら、監禁したいくらいだし…
あれ?
なんかちょっと違う?