花の名は、ダリア

「神父さまに貰ったの。
似合う?」


「えぇ、とても。
でも…」


男はなんの躊躇いもなく、女の髪からバラを抜き取った。

そして、手近にあったグラスに水を注ぎ、中にバラを差し入れる。


「この方が、バラは喜びますよ。」


そう言いながら、女に微笑みかける男。

我輩が贈ったバラを、せっかく女が身に着けてくれていたのに…

余計な気遣い、ありがとよ!
死ね!


「ソージの言う通りね。
せっかく貰ったンだもの、大事にするわ。」


そう言いながら、男に微笑みかける女。

だよねー?
我輩からのプレゼントだもんねー?

心からの気遣い、ありがとね!
好きだ!



いやいや、血迷うな。

なんか、フツーにバラに触りやがったケド。
枯らすどころか生けやがったケド。

気が利くイケメンなんて、認めねぇゾ、コラ。
ますます疑いは濃厚だ!

他に確かめる方法は…

どーする?どーする?

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