花の名は、ダリア

「うん。
極論を言えば、俺とダリア以外の知的生命体は絶滅すればいいと思ってる。」








あ、コレあかんヤツや。

真性ってヤツや。

もう、崇高な使命なんてどーでもイイ。
あの女もどーでもイイ。

逃げよう。

懐に忍ばせてあった白木の杭を素早く引き出した我輩は、『倒す』ためではなく『逃げる』ために、ソレを男の顔面に振り下ろした。

だが…

無駄な抵抗デスヨネ。
ワカリマス。

鋭く尖った杭の先端を、もっと鋭い牙で食いちぎった男が、その破片を吐き出しながらニヤリと笑う。


「慌てンなよ。
夜は長いンだから、ゆっくり遊ぼうや。
‥‥‥コレで。」


ロザリオのチェーンをリードのように扱って我輩を捕らえたまま、男もまた、懐からナニカを取り出した。

って…

え?
ソレが『コレ』?

粘着テープ?

てっきり、血を吸われて干物エンドだと思ってたのに。

ソレでナニすンの?
遊ぶってナニすンの?

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