花の名は、ダリア
あー…
デスヨネー。
で、
『大丈夫だよ
いつもすまないねェ』
『おとっつぁん、ソレは言わない約束よ』
なんて続くンデスヨネー。
…
って、ナンデヤネン。
やっぱこの女、ネジ飛んどる。
そんな、貧乏長屋コントやってる場合じゃねーンだって。
「来ないで下さい。
病気が コホコホっ 感染りますよ…」
再び足を踏み出した女に、ソージは喘ぐような息遣いで言った。
なのに、女はもう止まらない。
「平気よ。
私、病気にならないもの。」
「はぁぁ? っカハっ
ほらほら、ゲッハー 見てコレ。
労咳ですよ、感染りますよ。
死んじゃいマスYO!」
血塗れになった掌を見せて、ソージは慌てて訴えた。
なのに、女はやっぱり止まらない。
「平気よ。
私、死なないもの。」
ナーンーデーヤーネ───ン!?
んなワケあるかよ。
人間、誰しも死ぬンだよ。
それも、結構アッサリ死ぬンだよ。
死なない人間なんて、いないのに…