花の名は、ダリア

あー…

デスヨネー。

で、

『大丈夫だよ
いつもすまないねェ』
『おとっつぁん、ソレは言わない約束よ』

なんて続くンデスヨネー。



って、ナンデヤネン。
やっぱこの女、ネジ飛んどる。

そんな、貧乏長屋コントやってる場合じゃねーンだって。


「来ないで下さい。
病気が コホコホっ 感染りますよ…」


再び足を踏み出した女に、ソージは喘ぐような息遣いで言った。

なのに、女はもう止まらない。


「平気よ。
私、病気にならないもの。」


「はぁぁ? っカハっ
ほらほら、ゲッハー 見てコレ。
労咳ですよ、感染りますよ。
死んじゃいマスYO!」


血塗れになった掌を見せて、ソージは慌てて訴えた。

なのに、女はやっぱり止まらない。


「平気よ。
私、死なないもの。」


ナーンーデーヤーネ───ン!?

んなワケあるかよ。

人間、誰しも死ぬンだよ。
それも、結構アッサリ死ぬンだよ。

死なない人間なんて、いないのに…

< 23 / 501 >

この作品をシェア

pagetop