花の名は、ダリア

ダリアの肩が揺れる。

滑らかなペールブロンドがソージの頬を擽る。


「ナニか可笑しいですか?」


「んーん。
可笑しいンじゃないの。
ソージってば、意外と子供好きなんだなぁと思って。」


「あり得ません。」


振り返り、楽しそうに煌めく瞳で見上げてくるダリアに、ソージは力一杯即答した。

顰められた、形の良い眉。
引きつった頬。
への字に結ばれた唇。

不快そのもの、といった表情のソージを目にして、ダリアが首を傾げる。


「でも…
森で会った時から、気にかけてるように見えたケド?」


「気のせいです。」


「でも…
でも…
今だって、毛布かけてあげたりして…」


「勘違いです。」


頑なに否定しやがンな、おい。

なんつーか…

必死すぎて、逆効果じゃねーの?

なるほど。
やっぱ意外とお兄ちゃん気質なワケだ。

人は見掛けによらないネ。

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