花の名は、ダリア
Ⅲ
夜になると偵察。
そして、聞き込み。
そんな数日を、ソージは過ごしていた。
ソージとダリアだけならドコへだってノープランで突入できるのだが、今回は勝手が違う。
同行者と救出対象。
ヨシュアとデボラがいるのだ。
まずは穏便にデボラに接触、合流。
そして安全を確保しつつ、二人を撤退させる必要がある。
となると、デボラの所在確認は必須ってワケ。
全く…
余計な手間かけさせやがる。
余計な手間と言えば、コレもだ。
強くなりたいヨシュアの相手。
昼間、洞窟内で眠っている時でも、平気で襲いかかってきやがる。
なんなの?あのコ。
遠慮とか、ないの?
他人の迷惑考えないの?
そんなだから便所飯するハメになンだよ、クソガキ!
まぁ寝ながらでも、テキトーにあしらってンだケドね。
余裕でボコってンだケドね。
そんなソージでも、本気でヨシュアの相手をすることもある。
てか、今がまさにそう。
「死ねェェェェェ!!」
「来いやァァァァァ。
返り討ちにしてやらぁぁぁぁぁ!!」
洞窟の奥の、一番長い抜け道を出た場所にある湖の前で、ソージとヨシュアは火花を散らして対峙していた。