花の名は、ダリア

大きな欠伸を一つ。
片手で肩を揉みながら首を鳴らして。

いつもと変わらずリラックスモードなソージ。

そんな彼を見つめるヨシュアの表情は、対照的に硬く青ざめていた。


「‥‥‥今夜か…」


「ンだよ、今更ビビってンの?
腹括れよ。」


「わかってる!
わかってる…ケド… 俺…」


「おー待ーたーせー」


揺るぎない覚悟を促すソージとまだ揺らぐ心をもて余すヨシュアの会話に、ノーテンキな可愛い声が割って入った。

座り込んだ二人が、同時にその声の出所辺りに目を向ける。

次の瞬間…


「クァwセdrftgyフジコォォォ!!??」


「クァwセdrftgyフジコ///!!??」


バサバサバサァァァ…

二種類の奇声が森に響き渡り、鳥たちが一斉に木から飛び立った。

声の主はもちろんダリア。

彼女は驚いた様子で立ち尽くしている。

片腕に服を抱えて。
濡れた身体にシャツを羽織っただけの格好で。

当然、前ボタンは全開で…

って、おいィィィィィ!!??

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