花の名は、ダリア

「ねェ、内緒の話があるから、ちょっと待っててくれる?」


そう兵士たちに声をかけたダリアは、首をブンブン振りながらもがき始めたヨシュアを引きずって、その場から少し距離を取った。

そして悪戯そうな笑みを浮かべて、ヨシュアの耳元でそっと囁く。


「大丈夫よ。
私、イイコト思いついたンだから。」


イイコトだと?
飛んで火に入るのが、イイコトだと?

ねェよ。

いやいやいやいや…
無理無理無理無理…


「イイコトよ?
だって捕まっちゃえば、自動的にデボラちゃんと合流できるじゃない。」




いやいやいやいやぁぁぁぁぁ!?
無理無理無理無理ィィィィィ!!

仰る通りデスケドネ!?
もーちょっと考えて!?

そんなコト、誰でもすぐに思いつくの。
でもやんないのは、悪手だからなの。

前回の脱出劇で警戒されてて、状況は悪化してるハズだから。

さらに逃亡が困難になってるハズだから。

捕獲 → 合流 → 逃げられずに手術☆
じゃ、最悪デスカラネ!?

そんな可愛いドヤ顔してねーで、お願いだからもーちょっと考えてェェェェェ!!??

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