花の名は、ダリア
なーんて完全否定しちゃいマシタYO!
トーデスエンゲルの整った顔が、不愉快そうに歪む。
兵士たちも気色ばむ。
ヨシュアとデボラなど、あまりの緊張で呼吸すらままならない。
それでも、ね?
やっぱりダリアさんは気にしなーい☆
「私はね?
『忠実で死なない兵士』を作ってる人に会いたいの。」
「私が、そうだ。」
「そんなはずナイわ。
私、アナタを知らないもの。
アナタは人間でしょう?」
「面白いことを言う。
いかにも私は人間だし、おまえなど知らん。
だが、私がトーデスエンゲルなのだ。」
「面白いコトを言ってるのはアナタだわ。
人間の血じゃ、『仕えし者』どころか『穢れし者』すら生み出せないじゃない。」
「っ」
この場にいるほとんどの者たちが意味を理解できないであろうキーワードを聞いて、トーデスエンゲルは言葉を詰まらせた。
『仕えし者』
『穢れし者』
そして、『血』…
この女は知っている。
そして言っている。
おまえには無理だ、と。
人間には無理だ、と。
『不死』という神の領域に、手が届くわけがない、と。