花の名は、ダリア
Ⅳ
その日から、ソージの元を訪れる人物は二人になった。
一人は、必ず昼に。
一人は、必ず夜に。
そう、彼女は夜と共に訪れる。
不思議といえば不思議。
だが、当然と言えば当然か。
彼女は異人。
昼間に一人でフラフラしていると目につくし、危険なこともあるのだろう。
訪れると言っても、特にナニをするわけでもない。
二人で縁側に腰掛けて、月光浴しながらお喋りするだけ。
他愛もない話を。
「貴方はドコから来たンです?」
「ココじゃないドコかよ。」
「…
具体的には?」
「海の向こうの、ココじゃないドコかよ。」
「…雑だなぁ…」
こんなコトとか。
「何をしにこの国に来たンです?」
「人を捜してるの。」
「へぇ。誰を?」
「知らない人なの。」
「…雑だなぁ…」
こんなコトとか。