花の名は、ダリア


その日から、ソージの元を訪れる人物は二人になった。

一人は、必ず昼に。
一人は、必ず夜に。

そう、彼女は夜と共に訪れる。

不思議といえば不思議。
だが、当然と言えば当然か。

彼女は異人。
昼間に一人でフラフラしていると目につくし、危険なこともあるのだろう。

訪れると言っても、特にナニをするわけでもない。

二人で縁側に腰掛けて、月光浴しながらお喋りするだけ。

他愛もない話を。


「貴方はドコから来たンです?」


「ココじゃないドコかよ。」


「…
具体的には?」


「海の向こうの、ココじゃないドコかよ。」


「…雑だなぁ…」


こんなコトとか。


「何をしにこの国に来たンです?」


「人を捜してるの。」


「へぇ。誰を?」


「知らない人なの。」


「…雑だなぁ…」


こんなコトとか。

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